Blustream マルチキャスト ビデオIP伝送について

a new erra of video distribution

BlustreamマルチキャストUHDは1Gbpsのネットワークスイッチを介してHDMI信号を低遅延で伝送します。独自のロスレス圧縮技術の採用でHDMI、IR、RS-232、USB/KVM信号を1本のLANケーブルを使用して最大100mの距離を伝送します。マルチキャストの利点は柔軟で容易な設置です。映像業界では容易、且つ、技術的専門知識をなるべく必要としないVideo Over IP製品を必要としていました。BlustreamのマルチキャストUHDはこれらの要望を取入れ、映像伝送における新しい時代を切り開きます。

Residential

既存のLANケーブルインフラストラクチャを使用することで4K解像度の映像を複数のディスプレイへ簡単に伝送します。マルチキャスト製品はLANネットワークへ接続できる環境であれば映像ソースを設置する場所を選ばないため、典型的なラックマウントベースのマトリックススイッチャーと違い、全ての映像ソースを1カ所にまとめて設置する必要はありません。

Blustreamマルチキャスト製品は市場に存在する多くの映像機器メーカーTVやAVハードウェアにて検証し互換性を確保しています。

商業施設でのHDMIやHDBaseT伝送システムには規格上、多くの制約が存在します。

Blustreamマルチキャストデバイスは数千ものマルチキャストソースとディスプレイを数キロメートル離れた場所に設置された環境であってもネットワークインフラストラクチャー上であれば、他の伝送システムと違い制約なしで伝送が可能となります。

Commercial

マルチキャストUHDでの4つの運用モード

Blustreamマルチキャストビデオ伝送プラットフォームには多様なAV伝送アプリケーション要求にお応えできる4つの運用モードを提供します。

従来のネットワークインフラストラクチャーを用いた無限のソースとディスプレイ接続に対応したIP方式でのHDMI伝送

接続されたディスプレイ数に関わらず高画質映像を低レイテンシー(1フレーム)伝送

HDCP2.2に対応で4K映像の伝送に対応

フルHD1080p映像の4倍の解像度を有した4K映像でより優れた精細な画質を表示

パワー・オーバー・イーサネット対応でネットワークスイッチからの電源供給に対応し、各送受信機へのACアダプター接続が不要

HDR対応でより多様な色彩に明暗な画質表示に対応(10bitにて)

HDMIに畳重されたオーディオソースを分離しオーディオシステムへの接続が可能

Dolby DigitalやDTSフォーマット等のハイレゾ音声に対応

双方向でのRS-232やIR伝送に対応しAVデバイスコントロールが可能

ビデオスケーラを搭載し接続したディスプレイに最適な解像度で表示が可能

送信機と受信機は簡単に追加が可能で効率良くシステム拡張が可能

複数のディスプレイに映像を分割しマルチディスプレイ表示を簡単に実現

独自の低圧縮技術を採用し高画質を維持したまま伝送表示

各ソース&ディスプレイへのEDID情報設定で各ディスプレイに最適な映像とオーディオソースを表示

USB伝送に対応しPCからコンソール間の距離を気にすることなくリモート操作が可能

ACM200を利用することでブラウザ経由、またはスマートフォンアプリから簡単映像切り替え

なぜHDMI Over IPが必要なのでしょうか?

映像帯域の増加

4K UHD映像やHDR対応ディスプレイ、ハイレゾ音声フォーマットなどの需要でHDMIでの必要帯域数は年々増加しています。既存のHDMIケーブルでは高帯域信号をロスレスで長距離伝送することに技術的な壁が存在しています。安定したネットワークインフラストラクチャー、LANケーブルに既存のIPとマルチキャストプロトコルを採用することでより簡単に低コストでHDMI信号の伝送を提供します。

フォーマット 解像度 フレームレート 垂直周波数 VBLANK HBLANK カラー データレート
720p 1280x720 60 74.25MHz 30 370 8-bit 4:2:0 2.22Gbps
1080i 1920x1080 60i 74.25MHz 45 280 8-bit 4:2:0 2.22Gbps
1080p/24 1920x1080 24 74.25MHz 45 830 8-bit 4:2:0 2.22Gbps
1080p/60 1920x1080 60 148.5MHz 45 280 8-bit 4:2:0 4.45Gbps
1080p/24 3D 1920x1080 24 (x2) 148.5MHz 45 830 8-bit 4:2:0 4.45Gbps
2160p/24 3840x2160 24 297MHz 90 1660 8-bit 4:2:0 8.91Gbps
2160p/30 3840x2160 30 297MHz 90 560 8-bit 4:4:4 8.91Gbps
2160p/60 3840x2160 60 297MHz 90 560 8-bit 4:2:0 8.91Gbps
2160p/60 3840x2160 60 148.5MHz 90 560 10-bit 4:2:0 11.14Gbps
2160p/60 3840x2160 60 148.5MHz 90 560 12-bit 4:2:0 13.37Gbps
2160p/60 3840x2160 60 148.5MHz 90 1120 8-bit 4:4:4 17.82Gbps
2160p/60 3840x2160 60 148.5MHz 90 1120 10-bit 4:4:4 22.28Gbps

上の表では、非圧縮HDMI信号を伝送する上で必要な帯域幅を表しています。HDMIケーブルやLANケーブルを使用した所で必要となる帯域幅に変わりは生じません。ハイスピードHDMIケーブルでは解像度4K、色深度8bit、カラースペース4:4:4(18Gbps)の信号を7m程の距離までしか伝送できず、それ以上の距離を延長するには専用の電子部品をケーブル内部に搭載し、信号を増幅する必要があります。HDBaseT技術では、4K@60 8bit 4:2:0や4K@30 8bit 4:4:4(10.2Gbps)までの伝送に対応し4K@60 10bit 4:4:4(18Gbps)信号の伝送には対応できない他、伝送はあくまでも1対1となります。

Blustreamマルチキャスト伝送では、独自の圧縮技術を用いることで、4K@60 10bit 4:2:0や4K@30 8bit 4:4:4などの映像フォーマットを1Gbps以下での帯域伝送に対応します。

システムサイズ

ネットワーク機器を利用することで、既存マトリックススイッチャーにて存在する制限を排除します。既存のマトリックススイッチャーではマトリックススイッチャーに搭載された入力・出力ポート数でシステムサイズが決まりますが、ネットワークインフラストラクチャーでは事実上計64,516台(IPアドレス制限数)のデバイス数が入力・出力ポート制限数となります。

ケーブル距離制限

LANケーブルを使用したHDMI伝送距離制限は100mとなりますが、ネットワークインフラストラクチャーでは光ファイバーケーブルでのアップリンクを用いたネットワークスイッチ間の接続が可能です。この光ファイバーケーブルは現在4K HDMI信号を数キロメートル伝送が可能です。

ハードウェアコスト

システムサイズがソース x 8 / ディスプレイ x 8を超えると今までのHDMI伝送方式ではよりコスト高となります。Blustreamマルチキャストソリューションでは、特に大きな商業用アプリケーションなどでは、コスト的メリットの恩恵を受けられます。

ネットワークインフラストラクチャー

ネットワークインフラストラクチャーを構成するには以下機能を有したレイヤー3(L3)のギガビットネットワークスイッチが必要となります。

  • レイヤー3スイッチ:レイヤー3ネットワークスイッチは受信パケットの送信元アドレスと送信先アドレスを元にルーティングとスイッチングを実行します。レイヤー3スイッチでは、ハードウェア上でルーティングとスイッチングを実行することで、ソフトウェアベースとは違い、高いスループットとパフォーマンスを実現します。
  • マルチキャスト:マルチキャスト(1対多、多対多伝送)は、送信機側から配信する1つのデータストリームを、一斉配信をしたい複数の受信機にたいして、ネットワーク機器側でデータを複製しながら伝送していくことで、本来、受信機の数だけ発生するデータ帯域数を大幅に軽減する技術です。マルチキャストでは複製型のデータ転送だけではなく、そのデータストリームを受信したい受信機の配信グループ(マルチキャストグループ)への参加や退出(IGMP)をネットワーク側から検出することで、複数の受信機への動的なデータストリーム転送を実行します。
  • インスタントリーブ/ファーストリーブ:インスタントリーブはマルチキャストに関連付けられた送信機と受信機間で必要としない接続を検知し自動的にマルチキャストグループへのデータ転送を停止します。これはネットワークスイッチ上で不要なネットワークトラフィックを排除し必要とする帯域数制限を軽減します。
  • IGMPスヌーピング:IGMP(インターネットグループマネジメントプロトコル)は、マルチキャストグループへの参加や退出を通知するためのプロトコルですが、IGMPスヌーピングは、この送信機と受信機間のIGMP処理をネットワークスイッチ内で検知する機能です。このIGMPを検知することで、ネットワークスイッチはどのリンクがどのIPマルチキャストストリームに展開するかの情報を維持し、マルチキャストトラフィックを必要とする特定のポートへのみデータストリームを転送します。
  • ジャンボフレーム:ジャンボフレームはパケットのMTUサイズ1,500バイト以上のペイロードを含んだイーサネットフレームです。ジャンボフレームを使用することで最大9,000バイトまでのペイロードをパケットに格納でき、1回の通信で転送可能なデータ最大値を増加させることで、効率良いネットワーク環境を提供します。
  • 光ファイバーアップリンク:システムサイズが大きくなり、より多くのネットワークポートが必要な場合は複数のネットワークスイッチを接続する必要があります。広帯域幅(10~40Gbps)である光ファイバーのアップリンクを搭載したネットワークスイッチを使用することで、より多くのIP伝送機器の接続が可能となります。

各ソース機器はHDMIでマルチキャスト送信機に接続しLANケーブルを介してネットワークインフラストラクチャーに接続、また、各ディスプレイ機器はHDMIでマルチキャスト受信機に接続します。それにより、様々な映像機器は送受信機を介してLANケーブルに接続します。このようにネットワーク接続することで、どの送信機からどの受信機に対しても配信が可能となります。

なぜ他のHDMI伝送方式でなくBlustreamマルチキャストシステムを使うのでしょうか?

HDMIをIPネットワークを介して伝送するのは他の映像伝送方式と比べより多くの利点を有します。一般的なHDMI信号伝送はHDBaseT規格を用いたLANケーブルでの伝送ですが、以下に各々の伝送技術での利点を明記します。

Blustreamマルチキャストの利点

  • 1Gbps以下の帯域幅で4Kビデオ伝送を提供
  • 運用上システムサイズ制限なし
  • レイヤー3、1Gbpsネットワークスイッチの利用
  • ケーブルでの延長距離:複数のネットワークスイッチを光ファイバーアップリンク接続を行うことで数キロメートルまで延長
  • 各送信機、受信機側でのHDCP/EDIDハンドシェイクを完結
  • HDR(10bitカラー)
  • LANケーブル配線できる場所であればどこにでもソース機器設置可(マトリックススイッチャーのように1ヵ所に設置をまとめる必要なし)
  • 大きなシステムになればなる程コスト的に有利

HDBaseTの利点

  • ビデオ非圧縮
  • 小規模システムにてコスト的に有利
  • 170社以上の企業にて本技術は採用され各社端末毎での互換性を提供
  • HDBaseTチップセット仕様にて下位互換性を提供
  • ARC対応
  • HDBaseT伝送プロトコル内での10/100Mbpsイーサネット信号伝送対応

BlustreamマルチキャストとHDBaseTの特長

  • 4K@60 4:2:0 & 4K@30 4:4:4信号伝送
  • 低レイテンシー
  • 多くのHDMIオーディオフォーマットに対応
  • EDIDマネージメント
  • HDCP2.2対応
  • IR、RS-232、USB信号の双方向伝送

現在、多くのHDMI Over IP伝送製品が市場に存在します。以下にBlustreamマルチキャスト製品と、他の技術を利用した製品とを比較します。

フォーマット 遅延 対応ビデオフォーマット 対応オーディオフォーマット ネットワークスイッチ 利点 欠点
Blustream
マルチキャスト
1フレーム(32ms以下) 4K 60Hz 4:2:0
4K 30Hz 4:4:4
HDMI規格
フォーマット
1Gbネットワーク 1Gbネットワークで伝送可能な高画質品質&低遅延 1Gbネットワーク帯域を限界にまで使用(<850Mbs)、ソフトウェアデコード非対応
H.264 (ASIC) 1フレーム(32ms以下) 1080p 60Hz 4:2:0 2ch PCM 1Gbネットワーク 低帯域伝送(<16Mbps)、ソフトウェアデコード対応 低画質でマルチchオーディオ非対応、高遅延
H.264 (FPGA) 120ms 1080p 60Hz 4:2:2 2ch PCM 1Gbネットワーク 低帯域伝送(<25Mbps)、ソフトウェアデコード対応 低画質でビットストリームオーディオ非対応、高遅延
MJPEG 最大0.5秒 1080p 60Hz 4:2:0 HDMI規格
フォーマット
1Gbネットワーク 低帯域伝送(<21Mbps)、ソフトウェアデコード対応 低画質で高遅延、スポーツなどの速い動きの再生に不向き
JPEG2000 (FPGA) 1フレーム(32ms以下) 4K 30Hz 4:2:0 HDMI規格
フォーマット
1Gbネットワーク 低帯域伝送(<32Mbps)、ソフトウェアデコード対応 低画質
H.265 (FPGA) HVEC 低遅延 4K 120Hz
8K 60Hz
HDMI規格
フォーマット
1Gbネットワーク 低帯域伝送 高ライセンス料
SMPT VC-2 (Dirac Pro) 1フレーム(32ms以下) 4K 60Hz 4:2:0
4K 30Hz 4:4:4
HDMI規格
フォーマット
1Gbネットワーク 1Gbネットワークで伝送可能な高画質品質&低遅延 1Gbネットワーク帯域を限界にまで使用(<850Mbs)、ソフトウェアデコード非対応
SDVoE 1フレーム(32ms以下) 4K 60Hz 4:2:4 HDMI規格
フォーマット
10Gbネットワーク 最高画質で4K 60Hz 4:4:4対応 高価&10Gbネットワーク環境が必要

導入事例

居住施設用アプリケーション

郊外の典型的な3ベッドルームアパートメントは先進的なAV技術とホームオートメーションを組み合わせた現代風スタイルにリノベーションされました。AVソリューションはエンターテインメントシステムと統合され洗練且つ、スタイリッシュにインテリアと調和します。

IPネットワークを介し各部屋に個別のコンテンツを提供する4K UHDビデオ伝送システムが構成されました。大きなOLEDディスプレイはマスターベッドルーム、ベッドルーム、リビングルームのエンターテインメントエリアに設置され家の至る所に設置されたビデオソースへのアクセスが可能です。

ゾーン/エリア:マスターベッドルーム、ベッドルーム、リビングルーム
ソース:Foxtel STB、PC、Apple TV

接続図

商業施設用アプリケーション

将来的に拡張できること、また数百に及ぶ新規設置ディスプレイと既存設置済みディスプレイへ映像信号が伝送でき遅延なしでタイムリーに情報放映することを要求とし、またビデオ信号はソースから100m以上離れた場所に設置されたディスプレイに配信する空港での設置例です。

数百台に及ぶBlustreamマルチキャストUHD送信機と受信機をこれらの映像長距離伝送を必要とする環境では複数のレイヤー3ネットワークスイッチを採用し光ファイバーアップリンクで接続。Blustreamマルチキャスト受信機に搭載されたビデオスケーラを利用し既存設置された古いディスプレイに最適な解像度へダウンスケーリングし表示しています。

接続図